Treatment
立ち上がると目の前が暗くなる、体がふらふらする、目の前がぐるぐる回転するといった症状が出ます。
「立ち上がると目の前が暗くなる」ときの多くは立ち上がった時に血圧をうまく調節できない状態で起立性低血圧と呼ばれる状態です。動脈硬化があると起こりやすいとされています。おもに内科で治療します。
「体がふらふらする、目の前がぐるぐる回転する」ときは内耳の障害、中枢(脳)の病気、内耳や脳に向かう血液が不足するときに起こります。めまいと一緒に手足がしびれる、手足を動かしにくい、しゃべりにくい、ろれつが回らない、激しい頭痛がある、といった症状があるときは命に係わる脳出血や脳梗塞の可能性がありますのですぐに救急車を呼んでください。
内耳の病気には、頭位眩暈、メニエール病、内耳炎、前庭神経炎、外傷後などいろんな病気がありますが、すぐに診断を確定できないことが多いので検査を行いながら経過をみます。
滲出性中耳炎は小児に多い病気です。耳だれ、耳痛がなく、難聴が軽度なので家庭内で見逃されていることがあります。鼓膜切開やチューブ留置で軽快します。
成人に起こるときは鼻の奥の腫瘍(上咽頭がん)が原因かもしれません。
顔面神経は耳の骨(側頭骨)の中を通り、さらに耳下腺の中で枝分かれして眼輪、口周囲といった顔を動かす筋肉に至ります。ウィルスが麻痺の原因になることが一番多いのですが、耳や耳下腺などのいろんな病気のために神経が傷害されて麻痺になります。
ウィルスによる麻痺の時は発症後早期であれば抗ウィルス剤とステロイド剤で高率に治りますが、治療開始が遅くなると治りにくくなります。